前回より少し間が空いてしまいましたが、
7回目は吉井力斗技師に様々な話を聞きました。
それでは早速質問です。この業界を目指したきっかけを教えてください。
大分遡るんですけど、僕は、中学校でバレー部に所属していました。高校を選ぶ時に、工業高校のバレーが強かったので推薦入試に向けて部活体験に行きました。その時に、土木科の先輩がたくさん来て、「土木科はいいぞ」と強く勧められました。その時は特にやりたいこともなかったので、その先輩方を信じて土木科に進みました。僕は就職希望だったので、求人を色々みたり、先生に相談したりする中で、「コンサルは自分でこつこつやっていく地道な仕事だから、僕にあっていると思う」と、アドバイスを頂きました。そこで、コンサルに就職する方向で動いてみようと思ったのがきっかけです。
イズム・グリーンへの決め手はなんだったのでしょうか?
まず、コンサルに行くなら「測量士補」は取った方がいいと思って、そこから勉強を始めて、3年生で試験に挑戦しました。無事に測量士補に合格したことで、本格的にコンサルに行くことを決めました。イズム・グリーンには、歳が近い工業高校の先輩がいることがとても大きかったです。僕は、「働きやすいところ・長く続けられるところ」を重視していました。何か困ったことがあったら先輩に聞けるし、会社の雰囲気が良いらしいという話を聞いて、イズム・グリーンに決めました。
働く前と後で印象の違いはありましたか?
働く前は、中での仕事が多いんだろうな、というか、あんまり外に出られないんだろうなぁ、と思っていたので、思った以上に外での仕事がありました。というのも、僕たちは、出前授業も、職場体験も、全部コロナウィルスで中止になった世代なんです。本当だったら、協会の方から直接お話を聞けたり、実際にCADを触ってみたりして、「なるほどこんな感じかぁ」という感想を持つ予定だったんです。その経験を生かして、自分が働きたいと思う就職先を選べたと思うんですけど、全く何もわからない状態で決めなければいけませんでした。出前授業で「ドローンがくる」っていう話があって、楽しみにしていたんですけど、それも無くなってしまって、当時はとても残念だったのを覚えています。なので「働く前に印象を抱く」ということそのものができなかったように思います。
確かに、コロナウィルスが蔓延したての頃を思い出すと、イベント関連は軒並み中止になっていましたし、不要不急の外出を控える呼びかけもあったので、「外に出て何かをする」という意識は薄れていた時期でしたね。
こういう話をすると、「かわいそう」とか「大変だったね」とか言われるんですけど、そういう状況ではあったけど、僕たちなりに高校生活を楽しむことができました。また、業界としては、リモートワーク体制が整ったり、オンラインでの打合せが増えたりと、働き方改革が進んだと聞いているので、悪いことだけではなかったと思います。その時に揃えられる情報や、与えられたもので、色々な人と相談しながら自分なりに考えて判断するというのは誰にでも必要なスキルだと感じますし、業務を進めていく上でも大切なことだと思います。
印象に残っている現場はありますか?
雨竜の現場は、結構大きな現場だったので、社会人1年目でそういう規模の現場に関わることができたのは良い経験になりました。いつもだったらすぐ終わるようなことも、とにかく広くて数が多いので、1つの作業が延々と続いていく感覚でした。同じ作業を繰り返すので、新しい作業方法でも数をこなすことで覚えることができたし、後半は慣れからのミスをしないように気を付けました。
また、別の現場になりますが、富良野の現場で、電子レベルじゃなくて自分で読むオートレベルを使って測量したときに、誤差がピッタリ0になって、上司に褒めてもらった事が嬉しくて印象に残っています。その現場では、作業している時は作業で精一杯でしたが、実際に内業で成果品を作成していると、あの作業はここで生きてくるのか、という発見と学びがたくさんありました。
今後の目標を教えてください。
まずは、ドローンを操作できるようになりたいのと、3Dデータを扱えるようになりたいと思っています。先輩方がドローン測量をしたり、データ処理をしている姿をそばで見たり、入社してから色々な講習会に参加させていただく中で、やっぱりこれからの技術者としては、3次元に関する技術は必須だと思うので、できるだけ早く覚えたいと思っています。
それでは最後の質問になります。もし、高校時代の自分に出会って、アドバイスをするとしたら、どんな言葉をかけますか?
器械を運ぶのに体力を使うので『筋トレ』にしようとか、地名をしっかり覚えるという意味で『上川地域だけでも旅をしておこう』とか、結構迷ったんですけど、シンプルに「もっとちゃんと勉強したらいいと思う」にします。授業の内容としては、施工に関する内容の方が多かったような印象なんですけど、全体的にしっかり学んでおけば、もっと出来ることが増えただろうし、視野を広くして考えることもできたかな、と思います。先輩方には、ありがたいことに、本当に基本的なことから指導してもらっているのですが、もしかしたら今までの指導の中には高校の時に習ったことも入っているかもしれない、と思うこともあったので、勉強は大事です。
吉井技師、ありがとうございました。