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2022/7/1 その他 IML Track11 悠久の風

 

 

風は見えなくても風車は回る

音楽は見えなくても心に響く

J.S.バッハ

 

 

 

 

 

Track11 悠久の風

 

『ファイナルファンタジー3』(略称:FF3、ファイファン3など)は、1990年に日本のスクウェアから発売されたファミリーコンピュータ用ロールプレイングゲームです。当時、約140万本の売上を記録し、その後、ニンテンドーDSや3DS、PSP、iPhone/Android版、Steam版など幅広くリメイクされ、現在でもプレイすることができます。

 


「最期の壮大なドラマ」というCMキャッチコピーがついた世界は、土水火風の4つのクリスタルの力によって成り立つ光の世界と、闇のクリスタルが司る闇の世界が舞台となる王道ファンタジーです。辺境の村に住む孤児だった4人の少年少女が、ちょっとした探検から風のクリスタルと出会い、世界を救う光の4戦士へと選ばれるところから、物語は始まります。クリスタルから授かった力のひとつが「ジョブチェンジ」戦士、シーフ、賢者といった古の戦士たちの能力を己のものとし、成長していきます。主人公たちは最初「たまねぎ剣士」という最弱のジョブなのですが、他のジョブへチェンジすることで格段に高い戦闘能力を持つことができます。様々なジョブがある中で最強のジョブは、レベルを最大にした「たまねぎ剣士」なのがまたニクイのです。クリスタルから与えられた古の戦士たちの力ではなく、最弱でも己の道を信じて突き進んだ自分自身が最終的に一番強い、という事実は単にゲームの話で終わらせることができません。一芸に秀でている人は少数で、私も、あなたも普通の人かもしれません。ですが、自分を信じて努力し続ければ最期は「良い人生だった」と思えるから頑張れ、というメッセージに思えるのです。最初から英雄だったのではなく、普通の少年少女がたくさんの出会いと別れを経験し、困難を乗り越えながら成長していく物語は、発売から30年以上経っても色褪せることはありません。

 


そんなファイナルファンタジー3より「悠久の風」を紹介します。
「永遠」をイメージして作られたこの曲は、FF3の代表曲と言っていいでしょう。フィールド曲として使用されており、広大な世界を感じさせるゆったりと静かで美しい旋律、風の奔放さを感じさせる軽やかなリズム、力強く刻まれるベースは困難な旅への強い意志を表しているかのようです。ファミリーコンピューターはその性能上、同時に3音までしか出すことができません。同時に鳴る音の数を極力少なくするためだとは思うのですが、結果的にこの曲を神曲に昇華させた、冒頭から流れるアルペジオに注目です。その時に聞いている感情によって希望を抱いて背中を推してくれるようにも、辛くても困難を乗り越え次に進まなければならない決意と哀愁を感じるようにも聞こえます。1・2拍目を受けての3・4拍目が、大草原の端から端まで吹き抜けていく風のようでもあり、風同士がじゃれあっているようにも聞こえ、「悠久の風」という曲名にピッタリです。

 

 

 

Rexさんによるリコーダー多重録音演奏です。
2012年、「【FF3】演奏してみたコンテスト」という、PSP版FF3の発売を記念して行われた、スクウェア・エニックス主催、「悠久の風」を「演奏してみた」動画のコンテストがありました。応募期間1ヶ月強という短期間で約230点もの動画が応募されたようです。作曲者である植松伸夫さんも審査に加わり、最優秀賞1名、入賞4名が選ばれたのですが、この動画が最優秀賞に選ばれました。演奏後半では、地上が水没している状態での外の世界のフィールドで流れる「果てしなき大海原」が裏旋律で使用されており、より広大な世界へと誘われます。誰もが一度は演奏したことがあるだろうリコーダーですが、動画を見ていただくとわかるように、リコーダーってたくさん種類があって、そしてこんなにも美しい音色を出すことができるのか!私の知っているリコーダーではない…と驚くこと間違いなしです。運指を見ていると難しそうなのに、難しいことをやっているように聞こえない、自然に耳馴染む演奏と編曲、気付けば2分半という時間が溶けてなくなっています。すぐにリピートをしたくなる圧倒的な演奏をお楽しみください。

 

 


Rex(レックス)
2010年よりニコニコ動画やYouTube等で活動するアマチュアリコーダー演奏者。
YouTubeチャンネル「Rex Recorder Channel」主宰。
ゲーム音楽やアニメ音楽を中心にリコーダーによる多重録音動画を作成・公開している。曲中では主旋律の裏で別の曲を演奏する「混ぜてみた」を得意としており、ハッシュタグ「混ぜるな自然」がつくほど美しい編曲であるため、作品を知らなくても一つの曲として楽しむことができる。ただ、その選曲が作品のストーリー上深く関わっていることが多く、内容を知っている人にとってはより深く楽しむことができる構成になっている。
また、演奏者目線でのリコーダーの豆知識やプロリコーダー奏者との対談など、音楽とリコーダーの魅力を伝えるため、幅広く活動を展開している。
 
 

 

 

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