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2023/5/25 その他 IML Track16 Baby, Please Don’t Go

 

 

風は見えなくても風車は回る

音楽は見えなくても心に響く

J.S.バッハ

 

 

 

 

 

Track16 Baby, Please Don’t Go

 


「Baby, Please Don’t Go」は、デルタブルースミュージシャンのビッグ・ジョー・ウィリアムズ(Big Joe Williams)さんによって普及した伝統的なブルースの曲です。ブルースとは、1800年代にアメリカに連れてこられ、1862年の奴隷解放宣言によって解き放たれた黒人たちによる、アフリカ人の民族音楽や労働歌を原点として発展した音楽です。ブルースの語源は悲しみや憂鬱を表す”Blue”からきており、ポップス、ロック、ジャズ、R&B…あらゆる音楽のルーツとなっています。日本の昭和歌謡にも「○○ブルース」というのがたくさんありますが、本来のブルースとは音楽的にまったく別の物です。

奴隷制が終わった後、働いていた白人農園を追い出され住む場所と仕事をなくし、かえって貧しくなった黒人もいました。また、奴隷制がなくなってから黒人への差別が深刻化した地域もあり、解放された奴隷たちは必ずしも皆幸福になったというわけでもなかったようです。 しかし、解放されたことで、わずかながらも自由な時間を得た彼らは、それまでの黒人霊歌(ゴスペル)のように集団で歌う歌でなく、また神について歌う歌でもなく、自分について、ソロで歌う音楽を生み出しました。そのため、クラシック(西洋音楽)のルールとアフリカ(黒人)のリズムが融合しています。

ブルースの種類として、アコースティックギターで演奏される”カントリーブルース”、ソウルフルな歌とハーモニカの演奏が特徴の”デルタブルース”、ピアノなどとバンドを組んだ”シティブルース”、エレキギターとバンドスタイルが導入された”シカゴブルース”などがあります。ただ、基本的にほとんどのブルース曲は、アドリブ要素が非常に強く、12小節と3つのコードという簡易性とノリの気持ちよさから、「テーマとアドリブ」という構成になっています。「タッタタッタ…」と音を軽快に跳ねさせるシャッフルビートと呼ばれるリズムに、ちょっと粘ったメロディーが乗ることが多いです。

また、歌詞もそのまま捉えると、意味が単純すぎるか、よくわからないものが多いです。この曲も普通に聞いていると、牢獄にとらえられている囚人が、恋人が去っていくのを心配して「頼むから行かないで」という、ただそれだけの歌詞です。ですが、「恋人に別れを告げられた切なさ」は、社会的な不条理や不平等によって引き起こされる心理的苦痛と重なることがあると考えられています。実は、当時の黒人が本当の気持ちを言う、というのは大変危険なことでした。白人社会を批判したりすれば、命に関わります。だから、自分を抑圧する社会を、自分に酷い仕打ちをする異性に例えたりして言葉を濁しています。しかし、そうして人間の普遍的なテーマとして濁された悲しみや切なさといった「感情」を強く表現することで、どの時代の、どの国の人々にも共感が呼び起こされ、音楽として「かっこいい」と愛されているのです。

「Baby, Please Don’t Go」は、1935年に最初の録音がされました。マディ・ウォーターズや、ライトニン・ホプキンスが歌い、後にヴァン・モリソンが所属していたゼムがカバーした事で、ロックアレンジで多くのロック・バンドがやり始め、今では世界中の人々に愛されています。 今回はライトニン・ホプキンスさんの演奏をご紹介します。

 

 

 


いかがでしたか。近所のおっかない顔したおっさんが、サングラスして野太い声で、リズムにのってブル-ス歌っている感じがサイコ-でしたね。

 

 


ライトニン・ホプキンス(Lightnin’ Hopkins)
1912年 – 1982年:アメリカのテキサスブルース・ミュージシャン。本名はサム・ジョン・ホプキンス(Sam John Hopkins)。少年時代の1922年に、ブラインド・レモン・ジェファーソンに出会いギターを教わる。1927年にはいとこであるテキサス・アレクサンダーと共に テキサスにあるレインボー・シアターで演奏する。 レコードデビュー当時、よくコンビで演奏をしていたピアニストのサンダー・スミスのサンダー(雷)にちなんで自らをライトニン(稲妻)と名乗るようになる。
 

 

 

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