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2023/11/24 その他 IML Track19 VOXers

 

 

風は見えなくても風車は回る

音楽は見えなくても心に響く

J.S.バッハ

 

 

 

 

 

Track19 VOXers

 

 

ヴォーカルグループのパイオニアで、メンバー全員がリードヴォーカルからベースヴォーカルまで担当でき、全員が作詞作曲できるゴスペラーズ。通算52枚目のシングルで、記念すべき結成25周年記念シングルとして『VOXers』は2019年10月にリリースされました。

タイトルの「VOX」が声という意味で、ゴスペラーズは拳ではなく声を武器に闘うのでボクシングのボクサーである「BOXER」と合わせ、複数形にした『VOXers』という造語になっています。「ヒューマンビートボックス」という、人間の声だけでリズムやスクラッチ、効果音などを演奏するスタイルを強く押し出した、アッパーな自己紹介ケンカアカペラ曲です。

そもそもアカペラはスタイルであってジャンルではないのです。楽器が声なだけであって表現したい音楽・ジャンルは多種多様です。「アカペラ」と聞くと、どうしても「うー」とか「あー」とか、メロディに合わせてハモる「字ハモ」とか、バラード曲とかを思い浮かべてしまいますが、この曲は『5人が同じことをやらない』をコンセプトに、異なるリズムパターンをメンバーそれぞれが担当しています。公式が解説動画をアップしてしまうほど、見事に違うことをやっています。一緒に口ずさんでみるとその凄さがわかるのですが、どのパートも音程が取りづらく、リズムもちょっとクセがあり、スキャットの言葉も独特です。

 

 

 

togetterの #VOXers解説動画 まとめはコチラから↓
https://togetter.com/li/1436709

 

プロモーション時のインタビューで、作詞作曲の酒井雄二さんは次のように語っています。

 

今回の曲は、ゴスペラーズが1人1人、サビで別々のパートを歌っているんです。そこを試合に見立てて、ボーカルのせめぎ合いをしている。歌詞も含めて、それぞれがそれぞれの方向に向かっている、バラバラな5人を聴いて欲しいんですね。個性を消す、溶けあわせるっていうのがハーモニーの一般的な認識だとしたら、そうじゃないところに向けた曲である、と。ある意味で、挑戦ですよね。本当にセルフ破壊みたいな(笑)歌詞の中で、5人それぞれのカラーが登場しますが、1stアルバム『The Gospellers』のジャケットで使われた色を引用したんです。村上が赤でチャンピオンサイド。そうすると青の安岡が挑戦者なんですけど、5角形なんで、大乱戦になる、と。そうやっていろんなことがうまく当てはまっていって、作っていった時「ボクシングがモチーフだから3分以内に終わりたい」って言ってたんですよね。そしたら、他のメンバーから「間奏が欲しいよ、例えばスキャットとかの……」って意見が出て来て。「わかった」って作っていったんです。で、ある程度、出来上がって、最初のゴングから最後のゴングまで何分になったか調べたら、ちょうど3分。ゾゾゾゾッってきました。

https://music.fanplus.co.jp/special/20191014350effbaf

 

今回はTHE FIRST TAKE バージョンの動画を紹介します。

動画冒頭、「ルーパー」という機材に各パートを録音しています。ルーパーとは、一言でいうと「多重録音がひとつで出来る機材」のことです。演奏したフレーズを記録し、半永久的に再生することができます。使用される場面としては記録したフレーズを再生しながらその上で演奏するスタイルが多く、ライブやセッションで用いられます。この曲では、ヒューマンビートボックスのパートとクラップを録音し、曲中で操作することによって、リードヴォーカルはもちろん、ハーモニーや、録音していないリズムパターンの演奏などを重ね、たくさんの音を奏でています。
見て楽しい、聴いて楽しい圧倒的なサウンドを是非イヤホンでお楽しみください。

 

 

 

 

いかがでしたか?うーあーだけじゃないんです。声が重なることで初めて成立するリズムとハーモニー、 随所で踏まれる韻が作り出すグルーヴ、余裕たっぷりのベース、めまぐるしく入れ替わるパート割は、神々の遊びと言っても過言ではない、計算しつくされた個性のぶつかり合い…こんな格好良い自己紹介があっていいのでしょうか。本人解説動画を見る→5人フル動画を見る→あぁ聞こえた!→次の解説動画を見る→5人フル動画を見る→のエンドレスになってしまいます。声質が全く異なる5人の絶妙なバランスによるサウンドは、気付けばループ再生をしてしまいます。脳に残る「ごかっけぇーぃのリーングッ♪」は思わず一緒に口ずさんでいて、どんどん沼に引きずり込まれます。アカペラの概念が覆る衝撃でしたね。


The Gospellers
 赤:村上てつや(むらかみ てつや、1971年4月24日 – )(リーダー)
 黄:黒沢薫(くろさわ かおる、1971年4月3日 – )
 緑:酒井雄二(さかい ゆうじ、1972年10月5日 – )
 橙:北山陽一(きたやま よういち、1974年2月24日 – )
 青:安岡優(やすおか ゆたか、1974年8月5日 – )
1991年、早稲田大学のアカペラ・サークル<Street Corner Symphony>で結成。1994年にシングル「Promise」でメジャーデビュー。以降、「永遠(とわ)に」「ひとり」「星屑の街」「ミモザ」など、多数のヒット曲を送り出す。他アーティストへの楽曲提供やプロデュース、ソロ活動など多彩な活動を展開する。

 

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